高電圧プローブに必須の基準パルス発生器
高電圧の受動(パッシブ)プローブには、容量補正用のトリマが設置されています。
このトリマの補正用として、ほとんどのオシロスコープには矩形波の出力端子が設置されており、端子の電圧波形をモニタしながらプローブのトリマを回して容量補正を行うのが一般的な方法です。
しかし、このオシロスコープの出力信号は20V/μs程度の低速な傾きの上、電圧が1~5V程度のため、高電圧かつ高速な波形を観測するパワーデバイス測定用のプローブの調整方法としては適切ではありません。
PBCシリーズは45000V/μs以上※1の急峻な電圧波形を出力し、波形の歪みを厳しくチェックすることができます。
※1 1000V出力時 20%~80%の傾き
また、差動プローブのコモンモード特性を確認する用途にもご使用頂けます。
差動プローブの+側と-側のケーブルを同じ個所に接続した場合、電位差は0ですから平らな波形が得られるはずです。
しかし、PBCシリーズでチェックした場合、ある程度の電位差が観測されることがあります。
この現象は、差動入力端子の+側と-側の入力特性が均一でない事を示すもので、変化中のフローティング電位の信号を確認する場合の誤差になります。
PBCシリーズはコモンモード特性の優劣を厳しくチェックするための最適なツールです。
なぜ、このような補正が重要なのか?
容量補正が適切でないと何が起きるのか?
受動(パッシブ)プローブの容量補正が適切でない場合、波形は図1のように変化します。
補正過多、補正不足の場合、観測される値は真値から大きく外れることになります。
図1.容量補正の影響 |
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●仕様
型式 | PBC-400 | PBC-1000 | ||||||||||||
出力電圧 | 100V / 200V / 400V スイッチ切り替え |
100V / 200V / 400V / 1000V スイッチ切り替え |
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出力コネクタ | BNC(立上り用×1 立下り用×1) | |||||||||||||
DC電源精度 | ±1% ±1V | |||||||||||||
立上がり時間 (設定電圧 20%→80%) |
≧90000V/μs(400V出力時) | ≧45000V/μs(1000V出力時) | ||||||||||||
立下り時間 (設定電圧 80%→20%) |
≧90000V/μs(400V出力時) | ≧55000V/μs(1000V出力時) | ||||||||||||
オーバーシュート | ≦ 1% | |||||||||||||
寸法 | W291×D248×H147(ゴム足含む) [mm] (突起部含まず) | |||||||||||||
重量 | 4kg | |||||||||||||
電源 | AC100V 1.5A MAX (アイドル時0.1A以下) |